日本には昔から教訓の意味もあることわざが多く存在します。
その中でも食べ物が由来のことわざは食を大切にしてきた日本人ならではの深い意味が込められたものが多いです。
この記事では食に関することわざと熟語をご紹介しています。
食べ物に関する日本の言葉
日常会話の中でふと登場することわざは平安時代頃から始まったといわれており歴史はかなり長いです。
生活する会話の中で自然に生まれいつしか「教え」として私達の身近な教訓として今でも活かされています。
食べ物や食に関することわざは昔の庶民の食生活や暮らしがわかるのも特徴的です。
食を意味する日本のことわざ一覧
昔の人は食からも多くの教訓を得ていたようです。
青菜(あおな)に塩(しお)
意味:元気がなくしおれた様子
例文:さっきまで元気だったのにテストて赤点とってしまい青菜に塩だ。
由来:青菜に塩をかけるとしおれる事から。
秋茄子(あきなす)は嫁に食わすな
意味:嫁に食べさせるにはもったいない
例文:私がいない時に旦那と姑が美味しいケーキを食べていてまさに秋茄子は嫁に食わすな状態だった。
由来①秋茄子は美味しいから嫁には食べさせたくない
由来②秋茄子は身体が冷える為に嫁に食べさせたくない
塩梅(あんばい)
意味:物事の調子や具合を指す
例文:恋人と仲直りしていい塩梅だ
由来:梅と塩を漬けた時の梅酢を使って料理の味付けをした事から
魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)
意味:相手が好意をもてば自分も相手に好意をもつ
例文:会社の人には魚心あれば水心の気持ちで接している。
由来:魚が水に興味を示せば水も魚を好意的に受け入れることから
雨後(うご)の筍(たけのこ)
意味:同じような物事が次々と起こること
例文:タピオカブームで巷では雨後の筍のように新しいタピオカ店が出店している。
由来:雨がやんだ後に、筍が続々と生える様子から
独活(ウド)の大木
意味:身体ばかり大きくて役に立たないこと
例文:体が大きいが筋肉がなく独活の大木だ。
由来:独活は大きく成長するが食べる事もできず材木としても使えない事から
海老(えび)で鯛(たい)を釣る
意味:わずかな努力(労力)で大きな結果や報酬を得る
例文:バレンタインにチョコをあげてお返しに高級バッグを買ってもらうなんてまさに海老で鯛を釣るだ。
由来:安い海老で大きな鯛を釣ることから
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沖のハマチ
意味:手にするまであてにならないこと
例文:旦那が誕生日プレゼントをくれるなんて沖のハマチだ。
由来:ハマチは回遊魚の為、いつ釣れるかわからないことから
火中(かちゅう)の栗を拾う
意味:他人の利益の為に、あえて危険な道に手を出すこと
例文:ママ友に頼まれて食事会の幹事になったがクレームばかりで火中の栗を拾った想いだった。
由来:サルにおだてられた猫が火の中の栗を広い大やけどをしたという説から
鴨(かも)が葱(ねぎ)をしょってくる
意味:条件がそろい願ってもない良い条件(状態)になること
例文:お金を借りようとした友人に宝くじが当たった。まさにカモネギだ
由来:鴨と葱の旬は冬で2つ揃うと美味しい料理ができる事から/カモネギと略される
腐(くさ)っても鯛
意味:たとえ落ちぶれても値打ちがあること
例文:お坊ちゃま育ちのあいつは無職になっても知性や品格がある。腐っても鯛みたいな奴だ
由来:鯛のように高価なものは腐っても値打ちがあることから
山椒(さんしょう)は小粒(こつぶ)でもぴりりと辛い
意味:小さくても才能があり優れていること
例文:弟は背が低いがチームで一番優秀なプレイヤーだ。山椒は小粒でもぴりりと辛いとはこういう事だ。
由来:山椒は小さいが一粒でも辛い事から
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月とスッポン
意味:2つのもつ意味が比較できないほど差があること
例文:同じ学校を卒業したが友人は政治家で俺はフリーターで月とスッポンだ。
由来:月とスッポンは形は似ているが全く違うものから
手塩(てしお)にかける
意味:自分で世話をして大切に育てること
例文:手塩にかけて育てた息子が海外に留学に行ってしまい寂しい。
由来:江戸時代、小さなお皿に少しの塩を盛って自分で味加減を調整していたことから
豆腐(とうふ)にかすがい
意味:手応えがない・役に立たない
例文:ゲームばかりしている子供に勉強しろと言っても豆腐にかすがいだ。
由来:豆腐にかすがい(釘)を打ってもなんの意味・効果もないことから
煮ても焼いても食えぬ
意味:悪賢い相手でこっちの言う事を聞いてくれなくどうしようもないこと
例文:あいつはいつも掃除の時間になると消える。煮ても焼いても食えない奴だ。
由来:食用でないものはどのようにしても食べられないことから
濡れ手で粟(あわ)
意味:苦労せずに多くの報酬を得ること
例文:あいつはコピーブログで広告収益を得て濡れ手に粟だ。
由来:濡れた手で粟の中に手をいれると粟粒がたくさん付いてくることから
猫に鰹節(かつおぶし)
意味:過ちが起きやすい状態。危険なこと
例文:旦那の部屋に酒を置いておくのは猫に鰹節だ。
由来:猫の好物の鰹節を猫の側に置くと食べてしまい危険なことから
花見(はなみ)過ぎたらカキ食うな
意味:美味しくないから食べるな
例文:その食材は期限が切れている。花見過ぎたら牡蠣食うなだ、もう食べるな。
由来:冬場を過ぎると牡蠣は美味しくないことから
花より団子(だんご)
意味:見た目よりも中身を重視すること
例文:バラ園に行って美しいバラを見る予定だったが園内のレストランに長時間滞在しており花より団子状態だった。
由来:花を見て楽しむよりも美味しい団子を食べていた方が楽しいことから
河豚(ふぐ)は食いたし命は惜しし
意味:結果を恐れ物事を実行に移せない
例文:ダイビングに興味はあるけれど泳げないから挑戦できずで河豚は食いたし命は惜ししだ。
由来:ふぐは食べたいけど毒が怖くて食べれないことから
茗荷(みょうが)を食えば物忘れする
意味:物忘れした時に茗荷を食べた~などこじつけること
例文:仕事で論文を書かなくてはいけなかったもののご飯を食べたら忘れてしまい茗荷を食えば物忘れするというやつだ。
由来:茗荷を食べると物忘れする説から
餅(もち)は餅屋(もちや)
意味:それぞれの専門家に任せるのが一番のたとえ
例文:パソコンが壊れ自力で調べたが修理屋にお願いしたら一発で直った、やはり餅は餅屋だ。
由来:餅は餅業者が作るのが一番おいしいことから
割れ鍋にとじ鍋
意味:欠点があるもの同士が仲良くしてること
例文:あの家の主人は変わり者だが奥さんもなかなかの奇人だ。まさに割れ鍋にとじ蓋という感じがする。
由来:割れた鍋にも相応しいフタ(蓋)があることから
食に関する熟語一覧
熟語とは2文字以上の文字を合わせて意味をもつ単語を指します。
こちらもことわざと同様
悪衣悪食(あくいあくしょく)
意味:粗末な衣服や食事を恥ずかしいと思う人と話す価値がない。
由来:悪=粗末 という意味から
医食同源(いしょくどうげん)
意味:日頃から身体に良い食事をしていると医者は不要だという意味合いで使う
類語:薬食同源
衣食礼節(いしょくれいせつ)
意味:豊かな毎日を送ると道徳心が芽生え、礼儀正しくなる
一汁一菜(いちじゅういっさい)
意味:1杯の汁物と1杯のおかずを意味する。
(質素な食事のたとえ)
解衣推食(かいいすいしょく)
意味:自分の服を着せたり食べ物を食べさせたり人に対して恩恵を施すこと。人を思いやるたとえ。
牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)
意味:牛や馬みたいに大量に飲み食いすること
鯨飲馬食(げいいんばしょく)
意味:鯨のようにたくさん水(酒)を飲み、馬のように大量に食べる事のたとえ。
縮衣節食(しゅくいせっしょく)
意味:衣食を節約すること。
酒池肉林(しゅちにくりん)
意味:贅沢で盛大な飲み会
食前方丈(しょくぜんほうじょう)
意味:きわめて贅沢な食事のたとえ
身土不二(しんどふじ)
意味:身と土は切り離せないという考え。人間の身体と育った土は切り離すことができない。
粗衣粗食(そいそしょく)
意味:粗末な食事と粗末な衣服。
同義語:悪衣悪食
箪食瓢飲(たんしひょういん)
意味:わずかな食糧しかないなか学問に励むこと
伴食宰相(ばんしょくさいしょう)
意味:地位に対して実力がなってないこと
不時不食(ふじふしょく)
意味:季節に合わせた旬の食材を食べなさい。季節外れのものは食べない。
無為徒食(むいとしょく)
意味:何もせずに時間を費やすこと。無駄な日々を送ること
目食耳視(もくしょくじし)
意味:世間の目を気にして豪華なものを食べること
薬食同源(やくしょくどうげん)
意味:日頃から栄養の良いものを食べていれば薬は必要なたとえ。
*医食同源は薬食同源から生まれた同義語。
昔の人から食の大切さを教わろう
以上、食に関することわざと熟語のご紹介でした。
食料調達が困難だった時代に様々な言葉を生み出し世代を超えて人々に教訓として言い伝えられていますね。
食をするのは前向きな生活を送ること。
栄養の良い食事を心がけたいですね。